阪急交通社トラピックスツアーで台湾を縦断 滞在1日目
公開日 2023年8月29日 最終更新日 2024年9月15日
台湾を訪れたのは今回で3度目ですが、フリーで台北しか滞在したことがなかった私にとって今回の台湾縦断の旅は初めての経験でした。 日数はほぼまるまる4日間。台北から南の高雄までバスで移動し、帰りは新幹線で台北に戻るコースです。阪急交通社75周年企画で大変お得なツアーで1日目のお昼と最終日のお昼以外は全部食事が付いていて、最終日は有名な圓山大飯店に泊まることができます。 天候が心配な中、定刻通りに羽田から早朝のチャイナエアラインで出発し、無事到着しました。さてついに縦断の旅が始まります。 1日目はバスで台北から台中まで南下します。スケジュールは以下の通りです。 ※実際の到着出発時刻(おおよそ)です。ご参考までに。 羽田→台北松山空港 10時30分着 台北松山空港からバスで出発 11時25分発 湖口服務区南向で各自昼食 12時20分着 日月潭へ 日月潭を見渡せる文武廟に到着 15時20分着 牡丹荘民藝館の2階で夕食 16時45分着 夕食後ホテルに向けて出発 18時00分発 ホテル金典綠園道商旅に到着 19時30分頃 ※20時半到着予定のところ早く到着 ※地図のルートは実際のルートと多少異なります さて、現地に着きガイドさんと同行者の方々と合流しバスへ向かいました。催行最少人数が9名のツアーだったので、乗り心地の悪いマイクロバスで移動することを想像していて最初は少し不安でした。でも実際の参加人数は倍の18名で、大きな観光バスでゆったり座ることができました。バスは2階建てで1階は運転席と荷物入れ、2階が座席になっているので、目線が高く開放感があります。 ちなみに私たちはツアー参加者の中で申し込みが1番最後で、申し込み時にすでに残席がもう僅かと出ていました。悪天候の予報だったために参加を見送った方がもしかしたらいらっしゃったのかもしれませんが… 飛行機を降りてからトイレを済ませ入国審査を終え、その後は受託荷物をピックアップし、両替をするとなると結構な時間がかかってしまいます。 空港内でピックアップしたスーツケースを開けている暇などなかったのですが、空港の外を出ると湿気と共に物凄い暑さで、一気に喉が渇いてしまいました。バス乗り場は空港を出てすぐでしたが、スーツケースをバスの荷物スペースに預ける前に、列の一番後ろに並んでスーツケースの中からペットボトルの水を取り出しました。 ペットボトルは日本で旅行用に買ってあったものですが、飛行機内では手荷物にできないのでスーツケースに詰めていました。これを出しておいて正解でした。乗ったばかりの車内は思っていたよりもまだ冷えていなかったのと、次の目的地までは1時間ほどかかるからです。 水を飲んでだいぶリフレッシュできましたが、車内はなかなか涼しくなりません。そこでおかしいなと思い、自分の席の冷房の吹き出し口を見上げると吹き出し口が完全に閉まっていることに気がつきました。慌ててこれを全開にすると一気に涼しくなりました。車内が暑い時はまずは吹き出し口のチェックをしたほうが良いと思います。これは意外と盲点でした。 私たちの参加したツアーでは最初のお昼ご飯は自己負担で、高速のSAで現金のみの支払いしかできないため両替がどうしても必要でした。 旅行の注意書きに、両替は現地係員が用意しておりますのでご利用ください、とありましたが、私たちは3人ですでに空港で3万円分両替をしていました。バスに乗ると、ガイドさんが1人5千円分両替できます、とおっしゃって、レートは私たちが両替したものよりもお得なものでした。この時はもう少し少なめに両替しておけばよかったと後悔しました。 すでに両替していた方は私たち以外にもいらっしゃったようで、ガイドさんの持っている1人5千円分の台湾元がが入った両替の袋はまだ余っていました。そのような場合は、希望者があれば追加で両替することができます。 私たちが空港で両替した金額は少し多めでしたが、やはり事前両替は多少していた方が良いと思います。というのも、ツアーに含まれている数々の食事にはお茶は出てきますが、ビールやジュースを飲みたい場合は各自テーブルで現金で払う必要があるからです。 12時20分ごろに最初の目的地の新竹県にあるサービスエリア湖口服務区南向に到着しました。 建物の1階には、ピザやパンなどが売っていて美味しそうだったのですが、せっかく台湾に来て初めての食事だったので2階のイートインに行きました。するとちょうどお昼時なのでとても混んでいて、暑さのせいなのか人気なのかみんな麺があるお店に集中してしまっていました。 どんどん注文が入るのですが、見たところキッチンスタッフは3人ほどしかいないのと、麺を一度に茹でられる量が少ないために大変そうでした。 ご飯物を注文した人はそれほど待っているようには見えませんでしたが。 私たちの休憩時間は小一時間あったのですが、なんと待ち時間に30分以上もかかりました。 注文したものは、②番の鶏肉湯麺2つと④番の小巻米粉湯1つです。 写真で見ると具材が沈んでいるためどっちがどっちだか分かりにくいのですが、奥が鶏肉湯麺で手前が小牧米粉湯です。でもちゃんと具材はしっかり入っていました。 こちらは間違いなく鶏肉湯麺。ちょっと沈んでますが具材が見えています。 副菜三種は、他にも種類があったようですが、店員さんのセレクトです。 麺の味は独特の香辛料の味はなく自然な味であっさりしていました。一見カップに入った麺(即席麺ではない)で熱そうに見えないのですがこれが物凄い保温力で、今まで台湾で食べた食事の中でもトップクラスの熱々でした。出発時間を気にしていたのですが急ぎたくても火傷するわけにもいかないし、食べ終わるまでに結構な時間がかかってしまいました。 麺はあっさりして美味しいのですが、ツアー参加で利用する場合は急ぐのでご飯物を注文したほうがいいかもしれませんね。 さて、休憩時間が終わり、バスは次の目的地の、日月潭に向けて2時間ほどの長距離走行に入ります。 南下するにつれて景色も南国らしくなってきました。上の写真は、檳榔(ビンロウ)の林。檳榔は椰子科の植物ですが、椰子の実とは真逆の食用ではない嗜好品として売られているそうです。いわゆる噛みタバコのようなもので、覚醒作用がありますが身体には決して良いとは言えない物だそう。依存性の高いものとして危険視されているせいか日本への持ち込みは禁止されています。 そのようなものではありますが、そこかしこに広がる檳榔の山の景色は迫力があり圧巻でした。 この案内板から日月潭までは約20分です。日月潭は魚池郷にあります。 魚池郷に入り台湾で最も大きな湖である日月潭が見えてきました。ここから5分ほどで日月潭を見渡せる文武廟に到着します。 日月潭の最も有名な観光スポットである文武廟に到着しました。 文武廟は、日月潭のダムの建設に伴い移転が必要となった龍鳳廟と益化堂を1938年に同じ敷地に建て替えられたもので、1999年の台湾大震災後に被害に遭い再建されました。 台湾で唯一開門されている孔子を祀っている霊廟で、この学問(文)の神である孔子と武の神である関聖帝と岳武王などが祀られています。 詳しい歴史等は日月文武廟のホームページで ↓ 廟の正門や入り口から入る時は右側から入らなくてはいけないそうです。これが正しい作法であるとガイドさんからお聞きしました。 正面の門をくぐると左右に高さ8メートルの大きな獅子がお出迎え。この写真は戻る時に撮影した左側の獅子ですが入って出迎えてくれるのは右側の獅子です。 右側の獅子の横には中国の神話で龍の子供(竜生九子)のうちの1匹と言われている贔屓(びし)。龍の長男で、顔はに似ていますが身体は亀の形をしています。重い物を背負うのが得意な神獣で石碑や柱を背負っていると言われていますが、ここでは石碑を背負っていました。 階段を登ると拝殿の前の左右に貔貅(ひきゅう)が鎮座しています。 貔貅も中国神話に登場する神獣で、撫でると財運に恵まれると言われています。竜生九子の1匹という説もあるそうです(諸説あり)。 参拝する時は右側から入るので右の貔貅を撫でて入ります。また入り口をくぐる時に帽子を取るのが礼儀だそうです。 頭から尾にかけて優しく撫でました。 同じように出る時は進行方向から見て右側をくぐるので、反対側から出てくることになります。出る時もまたもう1匹を撫でるのをお忘れなく。 拝殿の中は、煌びやかな装飾が施されていました。天井の藻井(そうせい)とよばれる中国古来の独特な立体的装飾が目を惹きます。 また、こちらでは神様に手を合わせて願い事を唱え、それが叶うかを占うことができます。木でできた神杯(せんぺい)という半月型の物を2つ使ってその表裏で占うものです。 ツアーだったので占いは時間がなくできませんでしたが、占いの仕方をガイドさんが教えて下さいました。神様にお願いをするときは、神様がわかるように住所などの個人情報を神様に聞こえるように伝えなくてはいけないそうです。文化の違いに驚きました。 階段を登るとそこには武聖殿があります。あとで写真を振り返ってみると、先ほどの拝殿の前にも同じものがあることに気が付いたのですが、このお線香を立てる香炉は、竜生九子のうちの1匹である狻猊(さんげいまたはしゅんげい)が背負っています。火や煙を好む神獣だと言われているため、このような香炉や、改めて調べて分かったことですが、狻猊そのものがお香立てになったものが日本でも売られていました。 また、その隣りには青龍が彫られた青龍偃月刀があります。 武殿の中心には、南宋初期時代の岳飛と三国時代の武将関羽が没後神格化され道教の神として祀られています。 また土地公という土地神なども祀られています。 こちらが、孔子が祀られている大成殿になります。孔子は人を愛し敬うことが大切であることを儒学という学問によって人々に伝えた、言わば儒教の始祖である神として崇められています。 ツアーでこちらの中を見学する時間があったのですが、あまりの暑さ(実はこの時台湾近海の海に台風が接近していてそのせいか湿度がかなり高い気候でした)に体力がなかった私たちは個人的にこの階段が上がれず、登るのはここまでで断念しました。帰ってきて気が付いたのですが、さらに上に登ると、日月潭と文武廟の全部の屋根を見渡せる展望スポットがあるそうです。無理してでも登ればよかったと少し後悔していますが、ツアーならば体調管理はなおさら必須なので無理は禁物です。 時間と体力のある方には是非登っていただきたいです。 また、こちらの休憩スペースには、狴犴(へいかん)という虎に似た竜生九子の1匹が額に飾られていました。 この廟に祀られている孔子や岳飛、関羽などの神々の話は一般的によく知られていますが、他にも竜生九子が守神として廟のあちこちに存在しているという興味深い話を聞けたのはツアーならではのことでした。 今後中国様式の廟を訪れる際には竜生九子たちを探してみようと思います。 さて、文武廟のお参りが終わって、夕食のレストランへ向かいます。 日月潭から20分ほどで夕食のレストラン牡丹荘民藝館に到着しました。 お店の1階は黒檀(こくたん)という高級木材の民芸品を主に扱ったお店で向かいには手頃な土産店も併設されています。レストランは、黒檀の民芸品のお店の中から2階に上がったところにあります。 まず、テーブルでお茶以外の飲み物を注文したい場合はその場で現金で払います。私たちは、マンゴージュースとビールと紹興酒を注文しました。 瓶の台湾ビール(台湾啤酒)を飲んだのは初めてで、苦味もなくあっさりしてビールが苦手な人でも飲みやすいです。最もポピュラーで、ビールを注文するとこの銘柄が出てきます。(この食事から始まり、この台湾ビールを食事のたびに注文していました。) 食事はというと、ここに写っているのはほんの一部ですが次から次へと出てきて想像以上のご馳走でした。味も悪くなくなかなかのものでした。 お得なツアーだったので食事に関しては全く期待していなかったのですが、サービスの良さに感動しました。 お土産は、黒檀のお箸を1000円(円で現金払い)で買いました。このお箸は硬くて頑丈ですでに食洗機で何回も洗っていますが、今も変わらぬ品質です。 家族はお土産用のストラップを買っていました。きちんと1つずつ巾着に入れてくれます。 この時は分からなかったのですが、向かいのお土産店も含めお土産の小物の相場がその後に行ったお店よりも安かったです。後々、買っておけば良かったと悔やまれました。 お店前の大きな飾り棚の中の彫刻が素晴らしかったです。反射して色々なものが写り込んでしまってしまっているので、一部しかお見せできませんが、数え切れないほど多くの馬が一枚の板から掘り出されていました。 食事を終えた私たちは夕暮れの中、台中市内のホテルに向かいました。 夕暮れ時の空と檳榔などの木々とのコントラストが美しかったです。 沈む夕陽を見ながら、ガイドさんが流してくださったテレサ・テンの曲を聴いていたらより一層懐かしさが込み上げてきて胸がいっぱいになりました。 忘れられないひとときでした。 このように晴れ渡っていた1日目でしたが、当初は季節外れの台風が台湾を直撃する可能性もあったので出発の1週間前から落ち着かない気持ちでいました。出発数日前には台風の進路が変わったものの東側近海で停滞していたため、出発の前日までは旅行に行けるかどうか気がかりでした。運よく行けたとしても台風による雨がずっと続くと予想されていたので楽しめるだろうかという不安もありました。ですが実際は飛行機の遅延もなく、初日雨に1滴も降られることもなく、こんなにも晴れ渡って、綺麗な夕陽まで見ることができたのです。全く予想外のことでした。 台湾に来て3度目で初めて知ったことですが、台湾には南北に大きな中央山脈をはじめとする山脈が広がっているそうです。調べてみたところ、この中央山脈は、台湾に上陸した台風の勢力を弱めるほどの大きな存在だそうで、よって今回私たちが旅行しているコースは、この中央山脈の西側に当たるので、この時に東の近海に来ていた台風とは逆側で、山脈を境に台風の影響が出にくかったのではないかと思います。 これは、このツアー1日目のウェザーニュースさんの天気図です。これからに旅行する予定の方は参考までにご覧ください。↓ https://weathernews.jp/s/topics/202305/300145/ 旅行1日目は天候に恵まれ、予定よりも早く無事ホテルに到着しました。宿泊先は, 金典緑園道商旅(Park Lane Inn)です。 ホテルのホームページはこちら レストランやファミリーマートや無印良品などがある商業施設内にあるホテルです。 大通りを挟んだ斜め前には22時まで営業しているSOGOが、そして向かいにはセブンイレブンもあり、比較的賑やかな通りに面しています。 この時敷地内のファミリーマートに気が付かずにセブンイレブンで買い物して部屋で乾杯しました。 台湾オリジナル商品を探していたはずなのに、結局半分は韓国産になってしまいましたが、またそれも思い出です。 ホテルの部屋や朝食の詳細は、次の記事で。滞在1日目の予定
ツアーの参加者人数と移動のバスの大きさ
暑い季節バスに乗り込む前に用意するものと車内でチェックすること
事前両替は必要か?
サービスエリア湖口服務区南向で食事
檳榔の林が圧巻
日月潭
日月潭を見渡せる文武廟
参拝時は右側から
赤獅子の横に力持ちの贔屓
拝殿で出迎えるのは貔貅
道教の神が祀られている武聖殿
儒教の神が祀られている大成殿
牡丹荘民藝館で夕食
夕暮れ時に車窓から見える景色
台風の位置と実際の天気のギャップ
金典緑園道商旅(Park Lane Inn)に到着