阪急交通社トラピックスツアーで台湾を縦断 滞在2日目

2023年9月28日

公開日 2023年9月28日 最終更新日 2023年12月14日

阪急交通社の75周年の台湾観光協会との共同企画のお得な台湾縦断4日間の旅に参加しました。私にとっては3度目の台湾旅行ですが、今回は今まで知らなかった台湾に出会えることができました。これは縦断ツアー2日目の記事です。

ホテルの朝食を終えいよいよ台中市内の観光スポットに向けて出発します。

2日目の朝食の記事はこちら

滞在2日目の予定

※実際の到着出発時刻(おおよそ)です。ご参考までに。

ホテルを出発        8時30分発

台中の宝覚寺に到着   8時50分着        

宝覚寺から出発       9時20分発

嘉義の檜意林活村に到着   10時45分着

檜意林活村から出発     11時05分発

嘉義噴水鶏肉飯で昼食    11時15分着

台南の延平郡王祠に到着   13時15分着

延平郡王祠から出発     13時45分発

高雄の蓮池潭に到着     4時55分着

蓮池潭から出発       16時00分発

高雄港大港橋に到着     16時30分着 

 👣徒歩2分👣

城市商旅高雄真愛館で夕食 17時00分開始

城市商旅高雄真愛館を出発  18時30分発

高雄富驛商旅に到着 18時45分着

※地図のルートは実際のルートと多少異なります

日本人の慰霊塔がある宝覚寺

宿泊先の金典緑園道商旅(Park Lane Inn)から20分足らずで台中市内の宝覚寺に到着しました。台中でも数少ない臨済宗の寺院です。

木造建築の本堂を守るために

入り口から右側にあるこの白いお堂は後から作られた囲いのようなものです。メインの本堂はこの中にあります。日本統治下に作られた木造の本堂を当時のままの姿で保護するためにこのような立派なお堂が建てられました。

撫でるとご利益がある小さな白い仏様

さらに右奥に行くとご機嫌そうな小さな白い弥勒仏がいます。すぐそばに金色の大仏が見えていますが、忘れてはいけない開運スポットなので立ち止まる必要があります。頭やお腹を撫でるとご利益があるということだったので願いを込めて撫でてきました。

色々な食べ方をされるジャックフルーツ

この白い弥勒仏の後ろには、いかにも南国らしい実がなっていました。こちらはジャックフルーツという果物で日本人にはあまり馴染みのないものですが、調べてみたところなんと業務スーパーやネットなどで冷凍したものや加工したものが売っています。

いかにも南国らしいの香りがするそうなのですがそのもの自体は甘さが控えめだそうです。肉厚で歯応えがあるそうで、今まで食べたことのあるフルーツとは違う食感であることが想像できます。

金の弥勒大仏

お寺の入り口からは少し奥に入ったところにいらっしゃる大仏様ですが、バスの車窓からすでにドーンとその迫力あるお姿が見えていました。

私の知っている近寄りがたいイメージの鎌倉の大仏や奈良の大仏とは違い、にこやかな表情と大きなお腹とおへそに親近感が湧きます。この時大仏の中に入ることはできませんでしたが、おへそは外を見ることができる窓になっているようです。

日本と台湾の歴史的な関わりと向き合う場所

宝覚寺の門の右側の柔和な仏様の雰囲気とは異なり、左側は心静かに手を合わせる場所になっています。

大仏を見たらそのまま帰らずに門の左側を目指します。青い矢印の方向です。

一見見逃しそうな場所ですが、この矢印の奥には戦争中に台中で亡くなった日本人の遺骨安置所があります。お墓なので写しませんでしたが、手を合わせて祈ってきました。

また同じく門の左側の更に奥には観音様の隣りに、戦時中に日本兵として戦った台湾人の戦没者のための慰霊塔があります。

宝覚寺に来ることで台湾が日本の統治下にあったことについて改めて考えさせられました。

第二次世界大戦後までの台湾

もともと台湾は先住民族が住む未開の土地でしたが、1600年代にはオランダに占領され、その間北部をスペインにも占領された歴史があります。1600年代半ばには滅亡した明の拠点を作るために台湾に渡ってきた鄭成功(ていせいこう)がオランダを制し台湾を支配しさらに20数年後にはすでに衰退していた鄭政権が清の制圧により崩壊し、台湾は200年以上清のものとなりました。その後日清戦争で日本が勝利した際に敗戦した清が割譲したのが台湾で、それ以来第二次世界大戦が終わるまでの50年間、台湾は日本統治下になったのです。

日本統治下の台湾

日本統治下の台湾では日本語教育が徹底され、台湾の人々は生活スタイルや文化までも日本色に染められていきました。しかし、台湾の人々が最初から異文化を受け入れたわけではありません。抵抗した台湾人が犠牲になる事件が幾度とありました。

一方、日本人の中には様々な分野で台湾のために尽力する人たちがいました。統治下まではほぼ未開拓だった台湾で日本人が指揮を取り、ダムの建設、上下水道の整備、農地の開拓などのインフラの整備を積極的に行い、疫病から台湾の人々を守ろうと医学分野などでも貢献しました。

第二次世界大戦下での台湾とその後

第二次世界大戦下では当初、台湾人には徴兵の義務がありませんでしたが自ら日本兵として志願する台湾人が少なからずいました。しかし戦況は時間と共に悪化し、この後日本が劣勢に傾くと志願を希望しない台湾人まで徴兵を課せられ、さらに多くの台湾人が日本兵として犠牲になったのです。

敗戦した日本は台湾を手放し、それによって日本兵として戦っていた台湾人は次に占領してきた中華民国に敵国扱いされ追い詰められたそうです。『台湾人生』という日本が制作したドキュメンタリー作品の中で、その苦悩を当時日本兵だった台湾人が語っています。

柔和な表情の金の弥勒大仏を見るためにこの地を訪れる日本人が多いと思いますが、きっかけはどうであれ、異国で亡くなった日本の戦没者と、日本のために犠牲になった台湾の人々に手を合わせることができる宝覚寺は1度は訪れるべき観光スポットであると言えるでしょう。

檜意林活村(ヒノキ村)

当初は同じく嘉義市内にある北門駅で日本統治下時代の駅舎(復元)を見る予定でしたが工事中のため檜意林活村(ヒノキ村)に行きました。

檜意林活村(ヒノキ村)は、阿里山森林鉄道の出発地点である北門駅の徒歩圏内にあるとても広大な敷地内にあります。かつて林業で栄えた阿里山の麓にあるこの場所に、当時林業に携わる人々の官舎や林業関連施設が多く建てられました。その殆どは檜を原材料とした今はほとんど見られない日本式建築物であるため、貴重な歴史的建造物として保存し、再活用しようというプロジェクトが立ち上げられ、檜意林活村(ヒノキ村)として生まれ変わりました。

敷地内は可愛い花の鉢も飾られていて、大きなマンゴーの木などの緑に溢れていました。

私たちの滞在時間は短かったため奥の資料館などには行かず、大通りに近いお土産物屋などを駆け足で散策しました。

この時はあまりじっくり見る余裕がなかったのですが、

台湾ならではの豆腐乳などの瓶詰めの食材やドライフルーツなどの乾物、

阿里山烏龍茶の産地が近いので、恐らくこれも烏龍茶などの台湾のお茶だと思われますが、美味しそうな金色の冷茶が売っていました。

フルーツ王国ならではの色とりどりのアイスキャンディーも売っていました。この時出発時間まで5分しかなかったため食べられなくて残念…

私たちが散策したのはほんの一部なのですが、カフェや美しい景観が広がる池や林業の歴史を知ることができる博物館など他にも見所は沢山あるようです。

さて次は昼食のレストランに向かいます。

嘉義噴水鶏肉飯で昼食

檜意林活村(ヒノキ村)から10分ほどで昼食のレストラン嘉義噴水鶏肉飯に到着しました。

1号店である噴水鶏肉飯が嘉義噴水という有名な噴水の近くにあることからこの名が付けられたそうです。

私たちが行ったのは数あるチェーン店の中でもお店の規模が大きい東區にある小雅店

鶏肉飯のお店に行くと知ってはいたのですが、私が想像していたのは、台北で行ったことのあるもの凄く庶民的な魯肉飯(ルーローハン)のイートインのようなお店だったため、想像とは異なった店構えでびっくりしました。

中に入ると小綺麗な食堂のような雰囲気ではあったので、やはり料理はかなり庶民的で鶏肉飯単品が来るのかと思っていました。

ところが予想に反してこの昼食も豪華なコースだったのです。

この時も私たちは台湾ビールを欠かさず注文しましたが、

煮物や揚げ物の前菜のようなものが次々と出てきて、

ビールがあっという間に進んでしまいました。

コンロをはみ出すくらいの大きさの蒸し料理が置かれ仕上げの調理が始まったかと思えば、香味野菜が添えられたドーンと大きなイカの料理が登場し、

ついにメインであるご飯茶碗サイズの鶏肉飯が出てきたかと思えば、

更に揚げ物や焼いたサバが綺麗に盛り付けられて出てきて、

蒸し料理が完成する前に更に野菜炒めも登場し、

取り分けサイズとはいえかなり大盛りのお団子入りのスープが最後の最後に出てきました。

どれも癖がなく日本人の口に合う味でした。メインの鶏肉飯は味はしっかりついていながらあっさりしていて美味しかったです。

お得なツアーだとは思えないボリュームでした。旅程表には鶏肉飯コースとは書いておらず鶏肉飯としか書いていなかったところがまた控えめで感動しました。

大きなお店ですがトイレの数はさほど多くないので早めに行くのがおすすめです。

さてお腹がいっぱいになったところで次の目的地に進みます。嘉儀市内のもう少し南下したあたりにある北回帰線を越えて亜熱帯から熱帯に突入します。

当初の予定はこの鶏肉飯の昼食の後にショッピングをする予定でしたが、台風の影響を考慮して、3日目に予定だった延平郡王祠蓮池潭の観光をこの後に、ショッピングは3日目に変更になりました。

延平郡王祠

宝覚寺の記事で触れた台湾の歴史に登場した鄭成功を祀った祠が台南にあります。

上の写真の入り口をくぐると

さらに鳥居のようなものがあり、それをくぐるとまたさらに入り口があります。

この入り口をくぐると、

視界が開け、奥に鄭成功が祀られる正殿が見えます。

清によって滅ぼされた明の新たな拠点にしようと台湾に来た鄭成功は、台湾に占領していたオランダを制圧し、台湾を支配しました。没後、台湾の政治基盤や産業にも貢献した人物であることから神格化され、彼を祀る廟(開山王廟)が建てられたのです。さらにこの廟は日本統治下では日本式の拝殿を持つようになり名を開山神社と改め、鄭成功自身が長崎県の平戸出身で日本人の母(田川マツ)を持つということからますます英雄視されるようになりました。

戦後、日本が台湾を手離した後には日本式拝殿は無くなり、神社としての形式ではなく中国形式に戻り大々的に建て替えられました。

母である田川マツの位牌も並びの1区画に祀られています。

敷地内の庭園は緑豊かで、

大きな木々の幹や枝に、愛らしい台湾リスたちの姿を観ることができました。

隣りには鄭成功の歴史博物館があるので時間がある方は立ち寄ると良いでしょう。無料で入れるそうです。

趣きのある美しい延平郡王祠を後にし、次は高雄の蓮池潭へ向かいます。

蓮池潭

台風が台湾近海にいながら、ここまでは雨が降ることなく嘘のように天気に恵まれていましたが、延平郡王祠から出発して20分ほど経つとついに雨が降り出しました。

蓮池潭に到着しても雨は降ったままで、バスを降りて歩いている途中にかなり雨足が強くなったので一旦雨宿りをし、少し弱まったのでまた歩き出しました。

バスを降りてから、蓮池潭の有名な観光スポットまで歩くと10分くらいかかります。雨の中のせいか少し長く感じました。

空は曇っていて暗かったのですが、到着するとかなり雨が弱くなっていたので思っていたよりも良い写真を撮ることができました。

この場所から、この龍虎塔の入り口まで行くにはぐるっと回ってもう少し歩かなくてはいけません。

引いて全体像を収めましたが、空の色が残念でした。

虎の口の中でお約束の記念撮影をし、虎の中に入ると、そこは賑やかな壁画が施されていました。

後ろにある塔には登ることができます。修復工事中という話でしたがこの時はまだ景観を損なうようなものはありませんでした。

帰りは龍の口から出ます。虎の口から入り、龍の口から出るとご利益があるそうです。この後しばらく工事で出入りできない状態になったそうなのでラッキーでした。

夕方になると龍虎塔がライトアップされ、湖面に反射する景色がとても美しいのだとか。

近くには、鮮やかな色彩の孔子廟、春秋閣、北極亭玄天帝神像など、時間があればゆっくり散策できる観光スポットが満載です。

また、蓮池潭周辺は国家自然公園に指定されていおり、このような熱帯ならでは迫力がある木々を見ることができます。

駁2藝術特區にある高雄港大港橋

高雄港大港橋を観るためにバスを降りると、そこは駁2藝術特區で、倉庫街をリノベーションしたレトロと現代アートが融合された素敵な街並みが広がっていました。

モダンな路面電車である高雄ライトレールが走っていて、

すぐ近くに駁二大義駅がありました。標識一つを見ても一つの作品のようで、

停泊している大きな船の横にもオブジェが点在していました。

この大きな船が浮かんでいるのは、高雄港第3運河で、

この運河に架かっている橋が、高雄港大港橋です。

船が通過するときは回転するのだそう。

曇っているもののこの時も奇跡的に雨が上がっていました。

橋の上から見る景色は美しく、恐らく夜景はもっと素敵なのだろうと想像がつきました。

また、反対側はアートな空間が。遠くには壁にサーフィンしている十二支が描かれている水色の建物が見えます。

駁2藝術特區は全部で4箇所の商業施設があり、この写真に写っている倉庫街はそのうちの1箇所である駁2大勇區で、赤いコンテナで作った巨大なオブジェがシンボルです。写真の倉庫の向こうに少し写っています。

橋の向こうにも買い物やグルメが楽しめる商業施設が広がっています。

時間がなかったので立ち寄ることが出来ませんでしたが、1日かけてゆっくり散策することができる楽しいスポットであることが分かりました。

城市商旅高雄真愛館でシーフードの夕食

夕食のレストランは、城市商旅高雄真愛館です。高雄大港橋、高雄ライトレールの駁大義駅からも近い利便性の良い場所にあります。写真の右奥がそのレストランのあるホテルで、レストランはその地下にあります。

最初に出てきたのは肉厚の味付メンマ。一つ一つが食べ応えがあって美味しいです。

ツアー中に立ち寄ることのできるお土産店で同じようなものを買うことが出来ます。留守番の家族にも好評でした。

お向かいさんもビールを飲んでいらっしゃいましたが、私たちもお約束の台湾ビールをここでも注文。

剥くのは手間でも食べると美味しいエビ。

ちまきの中身のような、桜エビがたっぷりのったおこわは私好みでした。

あとはあんまり覚えていません。

実は、円卓を囲むうちにツアーが一緒だった方々と話が弾むようになり、

食事以上に話に夢中になりすぎてしまいました。

でもボリュームがあって美味しい夕食だったことは間違いありません。

海鮮メニューですが、骨付きの肉料理も出てきます。

デザートに桃饅頭が出ました。

さて、食事が終わった後はホテルに向かいます。

富驛商旅高雄中華路館(FX INN KAOHSIUNG)

10分ほどでホテルに到着しました。

ホテルはカジュアルな雰囲気でしたが、嬉しかったのは、ここのホテルはトリプルルームがあって、エキストラベッドの使用がなかったことです。部屋が広くて快適に使うことが出来ました。

(1泊目も、のちの3泊目もツインの部屋にエキストラベッドの使用でした。)

また、この部屋にはバスタブがありました。

フリータイムに六合夜市

ホテルから徒歩10分くらいのところに六合夜市があります。

どのようなものか覗いてきましたが、

平日だったせいもあるのか人が少なく、

通りが広いせいもあるのかお店もまばらでした。

夜市の雰囲気だけを確認して、

結局夜市内にあるコンビニで買ったものは、

これです!

コンビニのイートインで一休みしてから帰りましたが、さすが熱帯なだけあって蒸し暑く、ホテルに着いたときはクタクタでした。

台湾縦断の旅2日目、今日もほとんど台風の影響を受けることがなく、感じの良い同行者の方々と円卓を囲んで楽しく過ごすことが出来ました。